JAFと自動車保険のロードサービスを比較|サービスの違いや併用メリットを解説

車のトラブルに対応してくれるロードサービスといえば「JAF」が有名ですが、「自動車保険に付帯しているロードサービスで十分では?」「JAFにも加入しているほうがよいの?」といった疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。この記事では、JAFのサービス内容や入会金・年会費、また自動車保険に付帯しているロードサービスとの違いについて解説し、自動車保険のロードサービスとJAFとを併用するメリットについても紹介します。

JAFの料金とロードサービス


JAFとは、「一般社団法人日本自動車連盟(JAPAN AUTOMOBILE FEDERATION)」の略称です。

公式サイトはこちら

おもにロードサービス、交通安全講習会の開催や車・交通安全に関する機関誌の発行など、自動車に関するさまざまな業務を取り扱っています。

JAF会員になると、対象のロードサービスが無料で利用でき、全国約47,000箇所の会員優待施設で割引や優待を受けることができます。

入会金と年会費

JAF会員には以下の3種類があります。
  • ・個人会員…個人の名前で加入する場合
  • ・家族会員…すでに家族にJAF個人会員がいる場合
  • ・法人会員…法人・団体名で加入する場合
それぞれの会員の種類や入会金・年会費について解説します。

個人会員

個人会員は個人名義で入会する人が対象で、入会すると会員証が発行されます。ロードサービスを利用する際は、会員本人がこの会員証を提示する必要があります。「JAFスマートフォンアプリ」に登録すれば、デジタル会員証を発行することもできます。

入会には、入会金と年会費が必要です。クレジットカード払いによる自動振替を行うと、入会金が500円割引に。また、複数年分の年会費をまとめて支払うとさらに入会金が割引となります。

■1年分+クレジット自動振替で支払った場合
1年分
基本料金
1年分+
クレジット自動振替
入会金 2,000円 1,500円
▲500円
年会費 4,000円 4,000円
■複数年分の年会費を一括で支払った場合
1年分
基本料金
2年分
一括支払い
3年分
一括支払い
5年分
一括支払い
入会金 2,000円 1,500円
▲500円
1,000円
▲1,000円
無料
▲2,000円
年会費 4,000円 8,000円 12,000円 20,000円
※障害者手帳を持っている方は入会金が無料になります。

家族会員

家族会員は、個人会員と同居している、または生計が同じ家族が対象となり、個人会員1名につき5名まで家族会員として入会することができます。

“生計が同じ家族”とは、一つの家計で生活している家族を指します。つまり、単身赴任中の夫や下宿している大学生の子供でも、個人会員である家族と家計が同じであれば、家族会員に入会することができます。

家族会員の有効期限は、個人会員の有効期限と同じです。そのため、入会時期のよっては、有効期限が1年未満になるケースもあります。

■家族会員の入会金、年会費
入会金 無料
年会費 2,000円 ※1名につき

法人会員

法人または団体としての入会が対象です。個人会員と異なり、車両単位での登録となるため、入会の際に対象とする車両番号を登録し、登録した車両番号ごとに会員証が発行されます。

ドライバーに関わらず、登録車両はすべてサービスの対象となります。1会員が登録できる車両台数に制限はないので、業務で使用する車両などはすべて登録しておくと、いざというときに安心です。費用は以下のとおりです。

■法人会員の入会金、会費
入会金 2,000円(初年度のみ)
法人特定会費 ※ 2,000円(1法人につき)
車両特定会費 ※ 2,000円(1台につき)
※法人特定会費とは法人会員の年会費のこと。車両特定会費とは登録する車両1台ごとの年会費です。

JAFのロードサービスの内容

JAFといえば、まずロードサービスを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。JAFのロードサービスでは、運転時のトラブルに24時間・365日、全国どこへでも駆けつけて対応してくれます。

JAF会員は対象のロードサービスをほとんど無料で利用できますが、会員でない場合でも有料でサービスを受けることができます。

おもなロードサービス内容、JAF会員と会員でない場合、それぞれの料金については以下の通りです。

■JAFロードサービスの利用料金
対応内容 サービス利用時の費用
JAF会員 会員でない場合
バッテリー上がり 0円 13,130円
パンク 0円 13,330円
キー閉じ込み 0円 15,230円
燃料切れ 0円
※燃料代別途
16,770円
※サービスカー通行料・燃料代別途
故障車けん引 0円
※けん引料15kmまで無料(15km超過1km毎に730円)
13,130円
※けん引料730円(1km毎)別途
落輪 0円 14,280円
雪道でのスタック 0円 13,130円
異音・異臭 0円 10,280円
※トラブル内容や場所、時間帯によって料金が異なります。

ロードサービスの対象車種

ロードサービスの対象車種は、車両重量3,000kg以下(最大積載量2,000 kg以下)の自動車・バイクです。特殊車両(トラクター、ブルドーザーなど)は、大型、小型を問わず対応していません。なお、対象車種であっても、法令違反に該当する車両や状態の場合は、ロードサービスを受けられないことがあります。

個人会員・家族会員の対象車種

    • ・自家用乗用自動車(ミニカー含む)
    • ・事業用乗用自動車(法人/個人タクシーなど)
    • ・二輪自動車
    • ・貨物自動車(自家用/事業用いずれも含む)
    • ・特種用途自動車(自家用/事業用含む。キャンピングカーや保冷車等)
電気自動車やハイブリッドカー、燃料電池自動車については、充電がなくなった場合などに充電ステーションや水素ステーションへの搬送も対応が可能です。 また、3,000kgを超えるバスやトラックについては、「燃料切れ」「キー閉じこみ」のみ対応しています。

個人会員や家族会員の場合、サービス提供は会員が対象となるため、マイカーかどうかは関係ありません。会員が運転または同乗する車で、上記の対象車種であれば、レンタカーや友人の車なども対応が受けられます。 ただし、緑ナンバーや黒ナンバーの事業用車両に客として乗車していた場合は、対象とはなりません。

法人会員の対象車種

      • ・自家用乗用自動車(ミニカー含む)
      • ・二輪自動車
      • ・貨物自動車
      • ・特種用途自動車
事業用車両(緑ナンバー、黒ナンバー)や仮ナンバーの車両は、対象外です。リースの車であっても、使用者欄に法人会員の法人名が記載されていれば、対象車両として登録することができます。

JAFと自動車保険のロードサービスを比較


自動車保険とJAFのロードサービスとではどのような違いがあるのでしょうか。両者の「サービス対象」「利用できる回数」「ロードサービスの内容」について、詳しく説明します。

■JAFと自動車保険の違い
JAFのロードサービス 自動車保険のロードサービス
サービス対象 JAF会員 ※ 保険契約車両
利用できる回数 制限なし 契約期間中に利用できる回数が制限されているサービスもある
ロードサービスの内容 ・バッテリー上がり
・キーの閉じ込み など
自然災害が原因のトラブルにも対応
・バッテリー上がり
・キーの閉じ込み など
※ただし、法人会員は登録車両に限定します。

サービス対象

最初に理解しておきたいのは、自動車保険とJAFとでは、補償やサービスの対象となるものが異なる、という点です。

まず、自動車保険から見ていきましょう。 そもそも自動車保険とは、車に対してかける保険です。そのため、自動車保険に付帯されているロードサービスも、「契約車両(=車)」がサービスの対象となります。そのため、自動車保険の対象となる車両以外でトラブルが発生した場合は、基本的にロードサービスを受けることができません。

一方JAFの個人会員・家族会員は、「JAF会員(=人)」がサービスの対象です。そのため、知人の車やレンタカーを運転しているときに起きたトラブルでも、JAF会員かつ対応車種であれば、JAFのロードサービスを受けることができます。また、JAF会員が直接運転していなくても、同乗しているだけでサービスの対象となります。

利用できる回数

JAFのロードサービスの場合、JAF会員であれば何度利用しても原則無料で対応してくれます。

対して自動車保険のロードサービスは、契約期間中の燃料切れの対応などに利用回数が定められていることがあります。

ロードサービスの内容

JAFが取り扱う「バッテリー上がり」「キーの閉じ込み」は、多くの自動車保険のロードサービスでも取り扱いますが、これらに加え、JAFのロードサービスは、地震・台風・大雪など「自然災害に起因した事故・故障」にも対応しています。
雪道走行時の注意点
自動車保険のロードサービスでは、雪道でのトラブルの対応として、チェーンをつけていた上でのトラブルに限る場合や、チェーンをつけていないと準備不足としてロードサービスが適用されない場合などがあります。

「自動車保険+JAF」はサービスが重複?メリットは?


先述の通り、自動車保険とJAFのロードサービスとを比較すると、重複しているサービスもありますが、サービスの対象や利用できる回数などに違いがあることがわかります。そこで、自動車保険のロードサービスとJAFの両方を利用できるとどのようなメリットがあるのか、整理してみましょう。

JAFでマイカー以外を運転中のトラブルにも備える

JAF会員であれば、知人の車、会社の車、レンタカーなどを運転している場合でもサービスの対象となります。

そのため仕事や旅行先で、マイカー以外を運転していた場合に起きたトラブルでも、JAFのロードサービスを利用することができます。

JAF会員優待サービスが受けられる

JAF会員はグルメやショッピング、ガソリンスタンドやホテルなど、優待協定を結んでいる全国のさまざまな施設で割引・特典が受けられます。優待施設数は全国およそ47,000箇所です。

例えばイオンシネマの場合、「CINEMAチケット(コードタイプ)」一般1,800円のところ、JAF会員は1,300円で利用できます。また、提携するレンタカー会社も多く、JAF会員の優待特典としては主に基本料金の割引が用意されています。レンタカー会社によって割引率は異なりますが、5%~20%割引を受けられるようです。

優待サービスを受ける際は、サービス利用前や精算前に会員証を提示しましょう。会員証はデジタル会員証(JAFスマートアプリ)でも利用できます。

※施設数や特典内容は2021年3月22日現在のものです。最新の情報はホームページ等でご確認ください。

優遇サービスをさらにアップする方法

実は、JAFには提携している自動車保険がいくつかあります。JAFと提携する自動車保険に加入すると、無料サービスの適用範囲が拡大する、自動車保険にはないロードサービスも受けられる、といったプラスの優遇サービスを用意しています。

■JAF会員優遇サービスが適用される保険会社

  • ・あいおいニッセイ同和損害保険(株)
  • ・AIG損害保険(株)
  • ・共栄火災海上保険(株)
  • ・JA共済(全国共済農業協同組合連合会)
  • ・セゾン自動車火災保険(株)
  • ・全国自動車共済協同組合連合会
  • ・全日本火災共済協同組合連合会
  • ・損害保険ジャパン(株)
  • ・大同火災海上保険(株)
  • ・東京海上日動火災保険(株)
  • ・日新火災海上保険(株)
  • ・三井住友海上火災保険(株)
  • ・三井ダイレクト損害保険(株)
なお、優遇サービスの内容は保険会社によって違いがあります。

サービス内容の一例として、例えばセゾン自動車火災保険(株)の場合、「燃料切れ時の燃料代無料サービス」が保険付帯のサービスのみだと1年間に1回無料のところ、JAFと併用すると1年間に2回無料になります。 また、あいおいニッセイ同和損害保険(株)の場合、「クイック修理サービスにおいて無料サービス範囲を超えた作業料金、部品代等」が保険付帯のサービスのみだと自己負担ですが、JAFと併用することによって4,000円まであいおいニッセイ同和損保が負担してくれます。

JAFと自動車保険とではサービス対象や内容が異なる


JAFと自動車保険とではサービス対象や内容が異なるここまで、JAFのロードサービス内容・入会金や年会費、自動車保険のロードサービスとの違いについて解説してきました。

まず理解しておきたいのは、自動車保険のロードサービスの対象は「契約車両(=車)」であるのに対し、JAFは「JAF会員(=人)」がサービスの対象となる点です。そのため、他人の車を運転した場合など、自動車保険のロードサービスが使えない状況でも、JAFが役立ってくれるケースが想定できます。

また、自動車保険のロードサービスは契約期間中の上限金額や利用回数が定められていることが一般的ですが、JAF会員であれば原則無料で、何度もサービスを受けられます。また、さまざまなレジャー施設やレストラン等の優待サービスなどは、自動車保険にはないメリットと言えるでしょう。

まずは、今加入中の自動車保険がどのようなロードサービスを提供しているのか、確認してみてはいかがでしょうか。さらに手厚いロードサービスを希望する場合や、普段からマイカー以外を運転する機会が多い場合などは、JAFへの加入も検討するとよいでしょう。

JAFについてもっと詳しく知る(JAF公式ページ)


※本記事は2021年3月22日時点での情報です。
※上記は概要を説明したものです。引受保険会社により、商品名や補償内容等は異なりますので、ご契約にあたっては必ず「各社商品パンフレット」および「重要事項のご説明・契約概要のご説明・注意喚起情報のご説明」をあわせてご覧ください。
また、詳しくは「ご契約のしおり(普通保険約款・特約)」等をご用意していますので、取扱代理店または引受保険会社までご請求ください。ご不明な点につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問合わせください。